大好きなシンガーさんご紹介② ~帝王R・ケリー~


R&Bという音楽ジャンルを語る上で欠かせない人物。


キング・オブ・R&Bなんて呼び名も多い。


【R.Kelly(アール・ケリー)】


相当聴いたな〜


彼が全てセルフプロデュースで曲を作っていることは言うまでもなく有名な話


作詞・作曲だけでなく、
曲の印象を大きく左右する編曲(アレンジ)までこなしてしまうという多才っぷり。


彼の凄いポイントは、
歌手としてのキャラクターを自己演出で作り上げるところだ。


初期の名盤「12Play」では、
直接的な性的表現が多い曲をまとめ上げて「エロ」の路線を確立し、

自身最大のヒット作I Believe I Can Flyでは
「ゴスペル」の敬虔なクリスチャンらしさを見せて、

Step In The Name Of Love(シュープリームスのあの名曲をもじってる)からHappy Peopleへの流れでは、
シカゴ伝統のステッピンミュージックにスポットを当てて、、

と、まぁ、
要は器用っつーことだ。


R.Kellyを知っている"ライト"な層の方と彼の話になるとほぼほぼ
「Ignition Remixいいよね~!」的な。

こんな中身スッカスカでチープな曲を聴いてR.Kellyを知っているとか言わないでほしい。
Heroだけでマライアを語ってるようなもんだぞ!


というわけで、
こっから本題。


今回ご紹介したい1曲は

アルバム「Love Letter(2010)」から#3の『Number One Hit』。

彼のキャリアの中では新しい方だろう。
とてもR.Kelly"らしい"、グルーヴィー且つシンプルな曲だ。


12Playの頃の荒削りな歌唱スタイルがお好きなファンには物足りないだろうが、
重厚感はなくともしっかりキャリアの年季が入った声で優しく歌われるのも悪くない。


それにライブ版をみればしっかりソウルフルなフェイクも盛り込まれていてサイコーだ。

この曲が好きな理由は、「潔さ」と「実はしっかりした歌構成」というところ。


「DbM7」と「AbM7」の2コード、つまり4度→1度進行を繰り返してるだけ。


コーラスのリフレインも「Number one hi~t♪」を繰り返してるだけ。


もう、腹立つくらい潔い。


乗りやすいシンプルなビートと浮遊感のあるコード進行、
すぐに口ずさめるくらい簡単なコーラス。
この潔さがR.Kellyの勝ちパターンなのだ。憎い。


もうひとつ着目して欲しいのが、
ラストのフェードにかけての盛り上がり、コーラスの合間を縫っていくフェイクだ。


もともと、「キミは僕にとってのNo.1ヒットソングのような存在だよ~」みたいな歌なわけですが。。


You are(キミは僕にとっての),

My Elvis and Priscilla(エルビスとプリシラ)

My Michael Jackson Thriller(マイケルの「スリラー」)

Smooth Operator by Sade(シャーデーの「スムース・オペレーター」)

Baby let's not forget the 12 Play(もちろん僕の「12Play」でもある)

You're my Titanic boat(キミは僕の「タイタニック」)

My moon and star(僕にとって「ムーン・アンド・スター」)

My Coming to America(僕にとって「星の王子 ニューヨークへ行く」)

My Avatar(僕にとって「アバター」) 


いいですよね~。

たたみかけるように比喩を並べあげて、
最終的には「You are...」を「Number one hi~t」のリフの隙間に挟み込んでいくという構成。


曲の盛り上がり方も最高潮になる一番オイシイポイントでこうなっていく様がなんともたまらんですわ...。


曲頭のテンションとの高低差がサイコーに気持ちいいっすね~


2コードをループしているだけのトラックでここまで高低差をつけられるというのは、
ある程度計算してゴールから逆算しないとできない。


こういうところに、R師匠の巧みさが感じられるので、聴いてて飽きないんだな。


みなさんも、お時間があれば聴いてみてください。
では今日はこの辺で!



TAK